2020-01-01から1年間の記事一覧

どこにもないりんご

ついに5月18日がきた。 ぼくたち4人は学校で集まって 「いよいよだな。簡単に用意をして白バラ公園にあつまるんだぞ」 とぼく。 「時間は3時40分だったね」 秀才も楽しそうだ。 「じゃあ一旦家に帰って用意してでてこよう」 とあまねちゃん。 学校が…

どこにもないりんご

「どうする?行ってみる?この4人で」 どんがみんなに聞く。 「あたし行ってみたい。夢でみたもの。行かなくちゃ。」 あまねちゃんが答える。 「僕もどこにもない国に行ってみたいな。どこにもないりんごを探してみたい」 秀才が言う。 「僕も行きたい。この…

どこにもないりんご

そこへどんが 「実はぼく、てがみをもらったんだ。どこにもないりんごをさがさないかって」 ごそごそかばんの中を探してから一通の手紙をもってきた。 「これがその手紙なんだけど『招待状』って書いてあるんだ。」 ぼくたちは頭をつけあってその手紙を見た…

どこにもないりんご

ぼくは悟(さとる)小学4年生だ。 けさも学校に行ったら友達が先に来ている。 「おはよう」 「おはよう」 秀才が「おい、どこにもないりんごって知ってるか?」 というので 「どこにもないりんご?知らないなあ」と答える。 その声につられてあまねちゃんと…

どこにもないりんご

「暗いよー。狭いよー。ひとりぼっちだよー。 ぼくはどこにもいない。」 真っ暗ななか声だけが聞こえる。 「ぼくはどこにもないりんご。ぼくを探して。」 さみしそうな声が聞こえる。 あまねは叫んだ。 「探してあげる。きっとみつけてあげるからね。」 あま…

夕なぎ8

若旦那とはつの結婚式は 親戚とやとっている人を集めて盛大に行われました。 「みんなもはつを助けてやってくれ」 若旦那はいろいろ噂するものがあることを 知っていてはつのことを公にしたのです。 はつは幸せでした。 若旦那は優しい人でますますはつを大…

夕なぎ7

はつは昭介からもらったかんざしを胸にしまい 大事にしていました。 けれども悲しみはすこしずつおさまってきていました。 それから3年。はつはちりめんを上手にうるようになり 若旦那の助けとなるようになったのです。 ある日若旦那ははつを呼び 「おはつち…

夕なぎ6

はつはやっと何かやってみたいと思うようになり じっくり考えていました。 ふとんをたたみ 身支度を整えると やってきた若旦那に 「旦那様、旦那様が優しくしてくださったおかげさまで 私も起き上がれるようになりました。 恩返しがしとう存じます。 どうか…

夕なぎ5

仕事ができなくなったはつですがその噂は廓中にひろがりました。 その理由を聞いて ちりめん問屋の若旦那が言ってくれたのです。 「おはつちゃんをこのままにしておいてはだめだ。 うちで心の傷をなおしてやりたい。 身請けしたいのでお願いするよ。」 たく…

夕なぎ4

はつはついに吉原にうられていきました。 吉原ではいろんな勉強をしました。 客の扱いも勉強しました。 そして客をとるようになり 毎日昭介を思い悲しい日々をすごしました。 昭介にもらったかんざしをつけて 苦しい時も昭介のことを思ってすごしました。 昭…

夕なぎ3

はつは昭介に会っていいました。 「わたし吉原に売られることになったの。 もうお嫁には行けないね。 ごめんなさい。」 「つらいのはおはつちゃんのほうだ。 しかたないのかい? そんなとこ行かしたくない。 でも、どうしてもしかたがないなら きっと迎えに…

夕なぎ2

二人はとても仲良く話したり歩いたりしていました。 楽しい時がどんどん過ぎていきました。 二人が付き合いだして3年ほどたったそんなある日、 はつは自分のお父さんから話があるといわれました。 「はつ、この家は兄弟も多くて百姓だけでは食べていけんの…

夕なぎ1

江戸時代中期の話。 百姓の家にうまれた「はつ」は 幼馴染の昭介と少し前に恋仲になり時々逢っています。 はつは昭介が大好きです。 河原で横に座ってお話しするのが楽しくて時間を忘れてしまいます。 昭介もはつが大好きでとても大事にしてかわいがっていま…

ひとつの小説を書き終えて

ある人にすすめられて小説を書いてみた。 考えながらすこしずつ書いたのだが ちゃんと書けた。 小説は嘘でできている。 わたしも登場人物などに嘘の人間を作って ストーリーも考えてかいていった。 その中にわたしに起こった本当のことも書いて入れた。 書き…

小説10

平和な日々が戻ってきた。 のぶ子はもう書き込みを気にすることはなくなっていた。 達也のおかげもあるけど、ファンの中に自分のことを最後まで味方してくれた人がいたことは大きかった。 一人いるだけでもしかしたら他にも味方がいるかもしれないと思うこと…

小説9

のぶこは達也と友人関係も断られたことがショックだった。 電話をきってからいろいろなことを考えて涙をながした。 それからしばらくして、達也が事件以来更新していなかった自分のブログを更新した。 のぶこはをれを知ってブログを読みにいった。 「ご報告 …

小説8

恵子はのぶこをなぐさめてから 「もう掲示板を見ないほうがいいですよ。達也さんともよく話し合って・・」 「はい。見るたびに心が沈むのでわたしも見ないようにしたほうがいいとは思うんですけど気になって。達也さんとは連絡をとってみます。どうしたらい…

小説7

恋人ではないというのは嘘ではない。けれどもそう書かれるとまたこころが揺れた。 のぶこは今でも達也のことが好きなのだ。 掲示板は恵子の投稿でかえって火に油を注ぐようにあれていた。 信じる人と信じない人がいて言い争ったり恵子の投稿を非難したりする…

小説6

「そうだったんですか。掲示板も二人を恋人だと思うからあんなに荒れたんですよね。 達也さんはどういってるんですか?」 「怒ってます。週刊誌にもファンの行動にも。今は巨大掲示板KOTTOでの発言を見ていて怒っています。」 「わかりました。わたしなりに…

小説5

次の日の朝恵子からのメールが届いた。 「大丈夫ですか?電話は今日ならどの時間でも大丈夫ですよ。」 とあった。 のぶ子は頭の中がごちゃごちゃしているのをすこし整理してから10時ごろに電話をかけた。 「はい。明智です。」 「恵子さんですか?のぶこです…

小説4

けれども・・・。 のぶこはとりあえず今日は遅いから明日電話をしようと思った。 その前にのぶ子は恵子のメールに返事を送った。 「メールありがとうございます。わたしもいたらない点があったと考えさせられました。今とても参っていて、恵子さんのお言葉に…

小説3

のぶこはあれた掲示板を閉鎖することにした。 自分の心もおかしくなっていきそうだったので本当は閉鎖はいやだけど仕方がないと思った。「突然ですがこの掲示板を閉鎖します。今までありがとうございました」 と書いて掲示板をなくした。 けれどもそうしたら…

小説2

のぶ子はあまり有名ではないが、小説家だ。 自分の書いたものが3冊出版されている。 ネットでは自分のホームページを持っていて、その中に掲示板がありファンが自由に書き込みをしたり交流をしたりしている。 掲示板は、普段は和気あいあいとした雰囲気での…

小説1

のぶこは眠れない夜をすごしていた。彼女は自分の部屋のパソコンに向かっていろんなことを思い出していた。これからどうしたらいいのかわからない。 心を整理するために受け取ったメールを見ることにした。 メールにはのぶこに対する批判的なものが多かった…