どこにもないりんご

「どうする?行ってみる?この4人で」

どんがみんなに聞く。

「あたし行ってみたい。夢でみたもの。行かなくちゃ。」

あまねちゃんが答える。

「僕もどこにもない国に行ってみたいな。どこにもないりんごを探してみたい」

秀才が言う。

「僕も行きたい。この4人で行こうよ。どこにもない国に行ってる間は時間がとまってるんだしさ。」僕が答える。

 

4人はどこにもないりんごを探しにいくことに決めた。

詳しいことはわからない。でもこんなチャンスはめったにないと思えた。

 

学校が終わりぼくたちはばらばらになった。

 

夕食のとき、僕はお父さんとお母さんにどこにもないりんごの話をしてみた。

「ねえ、どこにもないりんごって知ってる?」

「最近さわいでる人がいたわね。何いってるんだかおかしいわ。」

お母さんは相手にしてくれない。

「そういう話は80パーセントまでがガセだからなあ」

お父さんもばかにしている。

ぼくはそれ以上話をしても無駄だと思ってそうそうにきりあげた。

大人にはわからないのだ。

 

だけど僕はきっと見つけてみせる、どこにもないりんごを。

そう決心した。