夕なぎ2
二人はとても仲良く話したり歩いたりしていました。
楽しい時がどんどん過ぎていきました。
二人が付き合いだして3年ほどたったそんなある日、
はつは自分のお父さんから話があるといわれました。
「はつ、この家は兄弟も多くて百姓だけでは食べていけんのじゃ。
はつ、悪いがお前吉原の遊郭に行ってくれないか。」
「なぜ私が。。。無理だよ。」
「お前しかおらんのじゃ。お父ちゃんも体が悪くなって
百姓もろくにできん。」
「いやだよ。でもしかたないのなら行くよ。」
はつは自分の思い描いていた将来が消え、昭介とも別れなければならないこと
そしてつらい人生になるのがわかりきっていました。
それでも親や兄弟のことを思ったら自分が遊郭にいくしかないと思いました。