どこにもないりんご
そこへどんが
「実はぼく、てがみをもらったんだ。どこにもないりんごをさがさないかって」
ごそごそかばんの中を探してから一通の手紙をもってきた。
「これがその手紙なんだけど『招待状』って書いてあるんだ。」
ぼくたちは頭をつけあってその手紙を見た、
手紙には次のようなことが書いてあった。
=招待状=
どこにもない国に行ってどこにもないりんごを探しませんか?
あなたとあなたの友達をどこにもない国へ招待します。
5月18日の午後3時40分
白バラ公園の白バラの木の前に白いバスがとまったらそれに乗ってください。
どこにもない国へおつれいたします。
どこにもない国にいる間の時間はこの世の世界では動いていません。
こっちの世界にもどってきたら出て行った時間になっていますから
家族が心配することはありません。
安心してバスにのってください。
僕たちはびっくりして顔を見せ合わせた。
「本当にあるんだね、どこにもないりんご」
僕は言った。