小説7

恋人ではないというのは嘘ではない。けれどもそう書かれるとまたこころが揺れた。

のぶこは今でも達也のことが好きなのだ。

 

掲示板は恵子の投稿でかえって火に油を注ぐようにあれていた。

信じる人と信じない人がいて言い争ったり恵子の投稿を非難したりする人もいた。

のぶこはまた恵子に電話をかけた。

「のぶこです。書き込みありがとうございました。」

「余計にあれちゃったみたいでどうしようかと思っていました。

あれでよかったですか?」

 

「あのう。あれでいいんですけど、また恋人に戻ったらどうしよう・・・。」

恵子はびっくりした。恵子が恋人じゃないというから書いたのにまた恋人に戻る可能性があるのだろうか?のぶこは揺れている。

恵子はため息が出た。

 

恵子が言葉をなくしていると

のぶこは「ごめんなさい。恵子さんがいいとおもうようにやってください。

疲れているんです。不安で・・・」

「あまり根を詰めないですこし休んだほうがいいですよ。」

 

 

気をとりなおした恵子は、電話を切ると、KOTTOに行って

「中傷誹謗はやめてください。」と何度か書いてみた。

すこしはおさまるかとおもったが

それでも掲示板は荒れたままだった。

 

その様子はのぶこも達也もみていて心を痛めていた。

 達也のことを思うとのぶ子はあまずっぱいような苦いような気持ちになった。
 

3日たった頃、またのぶこは恵子に電話をかけた。

「たびたびすみません。もうどうしたらいいかわからなくて・・」