良い日が続くよどこまでも

このごろいいことばかり起きる。

今日は息子が夕食をつくってくれるし

明日は娘が大事な日。

今日時間があったから1月15日までに返事がほしいといわれていたことが

書けて気が軽くなったよ。

ありがたいなあ。

いい日だなあ。

いい日は続くよどこまでも

どこにもないりんご

ついに5月18日がきた。

ぼくたち4人は学校で集まって

「いよいよだな。簡単に用意をして白バラ公園にあつまるんだぞ」

とぼく。

「時間は3時40分だったね」

秀才も楽しそうだ。

「じゃあ一旦家に帰って用意してでてこよう」

とあまねちゃん。

 

学校が終わってみんな家に帰った。

僕はかんたんな着替えとメモとふでばこを

リュックにいれた。

白バラ公園の白バラの前で待っていると

どんと秀才がやってきた。

あまねちゃんはすこししてからやってきた。

「ごめんなさい。いろいろ用意があるもので」

 

「ほんとにくるかなあ、バス」

僕たちはどきどきしながらバスを待った。

3時40分になった。

すると書いてあったとおりに白いバスがやってきた。

白バラの前でとまるとドアがあいた。

どんが「この招待状をもらったものですがのってっもいいですか?」

というとバス運転手は

「ようこそ。どうぞおのりください」

と優しそうな声で言った。

どこにもないりんご

「どうする?行ってみる?この4人で」

どんがみんなに聞く。

「あたし行ってみたい。夢でみたもの。行かなくちゃ。」

あまねちゃんが答える。

「僕もどこにもない国に行ってみたいな。どこにもないりんごを探してみたい」

秀才が言う。

「僕も行きたい。この4人で行こうよ。どこにもない国に行ってる間は時間がとまってるんだしさ。」僕が答える。

 

4人はどこにもないりんごを探しにいくことに決めた。

詳しいことはわからない。でもこんなチャンスはめったにないと思えた。

 

学校が終わりぼくたちはばらばらになった。

 

夕食のとき、僕はお父さんとお母さんにどこにもないりんごの話をしてみた。

「ねえ、どこにもないりんごって知ってる?」

「最近さわいでる人がいたわね。何いってるんだかおかしいわ。」

お母さんは相手にしてくれない。

「そういう話は80パーセントまでがガセだからなあ」

お父さんもばかにしている。

ぼくはそれ以上話をしても無駄だと思ってそうそうにきりあげた。

大人にはわからないのだ。

 

だけど僕はきっと見つけてみせる、どこにもないりんごを。

そう決心した。

 

 

どこにもないりんご

そこへどんが

「実はぼく、てがみをもらったんだ。どこにもないりんごをさがさないかって」

ごそごそかばんの中を探してから一通の手紙をもってきた。

「これがその手紙なんだけど『招待状』って書いてあるんだ。」

ぼくたちは頭をつけあってその手紙を見た、

手紙には次のようなことが書いてあった。

 

         =招待状=

 

どこにもない国に行ってどこにもないりんごを探しませんか?

あなたとあなたの友達をどこにもない国へ招待します。

5月18日の午後3時40分

白バラ公園の白バラの木の前に白いバスがとまったらそれに乗ってください。

どこにもない国へおつれいたします。

どこにもない国にいる間の時間はこの世の世界では動いていません。

こっちの世界にもどってきたら出て行った時間になっていますから

家族が心配することはありません。

安心してバスにのってください。

 

 

僕たちはびっくりして顔を見せ合わせた。

「本当にあるんだね、どこにもないりんご」

僕は言った。

どこにもないりんご

ぼくは悟(さとる)小学4年生だ。

けさも学校に行ったら友達が先に来ている。

「おはよう」

「おはよう」

秀才が「おい、どこにもないりんごって知ってるか?」

というので

「どこにもないりんご?知らないなあ」と答える。

その声につられてあまねちゃんとどんとが寄ってくる。

「なになに?教えてよ」

あまねちゃんが秀才に聞く。

秀才は得意げに

「昔の石板に『どこにもないりんごを見つけたものは時間を自由にあやつれる』って書いてあったらしいんだ。最近小説家の志田レンがどこにもないりんごを探しにいくとか言ってるらしい。でもまだ誰もみつけたことがないらしい。探してみたいなあ。」

僕は興味があるので

「本当かどうかわからないんだろう?探すっていってもあまりにも漠然としているからなあ。」

というとあまねちゃんが

「あるわよ。どこにもないりんご。わたし夢で見たもの。

暗くてせまいところにひとりでいるの。僕をさがしてって言ってたわ」

 

 

 

どこにもないりんご

「暗いよー。狭いよー。ひとりぼっちだよー。

ぼくはどこにもいない。」

真っ暗ななか声だけが聞こえる。

 

「ぼくはどこにもないりんご。ぼくを探して。」

さみしそうな声が聞こえる。  

 

あまねは叫んだ。  

「探してあげる。きっとみつけてあげるからね。」

 

あまねはそういうと同時に目がさめた。

何だゆめか。それにしても気になる夢だったなあ。

 

ただの夢だと思えない。

 

探してあげなくちゃと思った。